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一筋縄ではいかない、はてなの“テキスト文化”の伝え方

こんにちは。はてなスタッフのid:Swatzと申します。

今回は“はてなスタッフ”として、ブログを書きます。僕は広告やMackerelの営業やマーケティングなどビジネスまわりを担当してます。はてなスタッフ歴5年目と何気に古参になってきました。

はてなスタッフが綴る、はてなスタッフアドベントカレンダー2015の15日目の記事になります。「はてな」について、ということで、最近よく思う「はてなの企業文化を伝えるのは難しい」という話をします。

advent.hatenablog.com

よく研修で「え?」ってなる

現在はてなでは中途のメンバーが続けて入ってきていまして、僕はビジネスメンバー向けに研修を担当しています。具体的な業務は特に問題はないのですが、「はてなのテキスト文化」を伝えることに難しさを感じます。

僕は新卒で長くいるので普通に思ってることが、入ったばかりの人にとっては普通じゃないらしく「え?」ってなります。それを受けて僕も「え?」ってなることがよくあるのです。

もちろんデザイナーのid:mazcoさんのように、すんなりパターンも多くいます。クリエイティブ系の方は驚きは少ないかもしれませんが、ビジネス系出身の人からは驚かれることがほとんどです。
mazco.hatenablog.jp

中でもテキスト文化について、今回は紹介したいと思います。

テキスト文化と、静かなオフィス

はてなでのコミュニケーションは、テキストでのやりとりが非常に多いです。具体的には、はてなグループやSlackやメールです。はてなグループについてはid:index_htmlさんも書いてますね。

sugawa.hatenablog.com

相手が社内においては、はてなグループやSlackを、社外の人においてはメールでのやりとりが基本になっています。テキストコミュニケーションが多いのです。

その結果、電話が鳴ったり、誰かが喋ってるということは少なくなります。オフィスは全体的に静か。みんな各自の作業に集中しています。耳を澄ますと、タイピングの音が響いています。

なので営業会社にいた人がはてなに来ると、電話が鳴らないことに驚かれます。電話が常に鳴っていた前職と比べると、圧倒的に静かなはてなのオフィスにビックリするようです。もちろん必要に応じて、電話も口頭ベースの会話もしています。ですが、営業会社から来た人にとっては、かなりの驚きなようです。

またテキスト文化の結果か、スタッフには文章書ける人が多いです。自分のブログでホットエントリー入りしてる人がやたら多いです。

そして、はてなスタッフによく使われる、はてな語も生まれています。こちらはid:rikoさんが紹介しています。

riko.hateblo.jp

テキスト文化の思想を語る

違う企業文化から来た人に対して、このテキスト文化について触れていないと、戸惑われてしまいます。ので、テキスト文化と、その思想について話をしています。テキスト文化なのも、ちゃんと理由があるんですよと。

結論、とても合理的という点に尽きます。

テキストにすることで、受け取る相手は自分のペースで確認できます。そのため相手の作業を中断させないので、基本的に集中して作業ができます。エンジニアの方は特に気にするところだと思います。生産性や効率化の意識が強いので、テキストは都合がよいのです。

これらは基本的なことですが、更に意識しているのはオープンにして蓄積することにあります。はてなグループなどはまさにそうです。

そのためなるべく閉じたところで話はしないようにしています。例えば口頭でしたとしても、テキストで情報を残します。またCc範囲の少ないメールも閉じがちです。それもはてなグループにあげるなど、オープンにするよう心がけています。

それによりいいことがいくつもあります。

1.遠隔地での作業も円滑になる

はてなは京都と東京の二拠点体制なのですが(一部リモートも)、口頭ベースだと、違う拠点の人には情報が届かないことがあります。テキストベースだと離れた場所で仕事していても円滑に作業を進められます。

2.この情報はこの人しかわからない、といった情報の属人化を防ぐ

口頭やメールのやりとりのみで、情報がクローズしていくと、担当者しか分からないという状況が生まれがちです。オープンにすることで、誰でも調べれば分かり、情報の属人化を防ぎます

3.後から検索が可能なため、新しく入ったひとも過去のことがらを知ることができる

基本的に情報がオープンにされているため、必要に応じて検索して、情報を得ることができます。なので入社した人も、過去の知見に触れることができるのです。業務の引き継ぎも楽です。

オープンであればあるほど、情報も平等ですよね。いわゆる「情報の非対称性」を防ぎます。

取引を行う際、当事者が保持する情報に当事者間で格差があること。

そして何より一番素晴らしいのは、はてなにはテキストでどんどん書いていこう、という雰囲気があることです。Slackやグループウェアを使ってる企業は多くあると思います。しかし、すべての企業で上手く使われているわけではありません。その理由に、情報共有しようという雰囲気がないことがよく言われています。

そういう点、はてなはブログサービスを提供していることもあり、テキストで情報を出すことに抵抗がある人は少なく、情報のオープン化の素地ができています。どんどん情報を出していこうという雰囲気含めた文化ができているのです。仕組みは作れても、雰囲気をつくることは簡単ではありませんので、この点すごいことだなと思います。

ビバ、テキスト文化。

結論:結局習うより慣れろ、だったりする

といった話を研修ではしています。「あー」と納得される人がほとんどです。

しかしきちんと説明しているつもりですが、なかなか伝わりきらないなーと感じます。やはり頭で理解するのと、体験するのでは違います。結局「習うより慣れろ」なんですよね。ので、上記のように説明した上で、後は割りきって、体験してください、というようにしています。努力はしていますが、ごめんなさい。。

なお社内の人にも伝えるのは難しいですが、社外の人に伝えるのは、さらに難易度上がります。この記事で少しでも伝わってるといいかなと。。

テキストの情報の波の多さや速さに慣れるのには、やはり時間が必要です。人によりますが、テキスト文化に慣れるのに入社2週間は必要そうです。さらに、情報を受ける側ではなく、出す側としてオープンにするのもまた大変です。都度情報を出していくのは、さらにハードルが高くなります。

しかし、それを乗り越えると、はてなのテキスト文化のよさを感じ、快適に仕事をすることができます。

他の企業文化も

他にも、特徴的な企業文化がいくつもあります。例えば、お昼に「まかないランチ」が提供されています。これも「食べていいんですか?」「飲んでいいんですか?」と聞かれます。が、食べてください。飲んでください。スイーツタイムもあります。

minesweeper96.hatenablog.com

他にも詳しく知りたい人はアドベントカレンダーをぜひ見ていただければと思います。

advent.hatenablog.com

それとお約束ですが、はてなでは人材を募集しています。こういったテキスト文化がいいなと思われた方は、ぜひ応募されたし、です。

hatenacorp.jp
hatenacorp.jp

さて明日はid:sharataniさんです。お楽しみに!

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