リテラシーラボラトリ

リテラシーを考える

「ライフハック」の暗黒面に堕ちてしまった1年を振り返って

 2012年。ベンチャー企業の2年目を振り返ると、失敗の積み重ねでしたが、学んだことは多くありました。その中でも特段大きな失敗、そして学びとして、ライフハックの取り扱いに失敗したことをまずあげられます。


 精神的に弱い僕が、アナキン・スカイウォーカーのごとく、ライフハックの暗黒面に自ら飛び込んでしまったという話を少しばかし。

効率を求めて、かえって非効率に

 最近「まさに俺じゃないか!」と驚きを隠せなかった記事がありました。最近話題になったプレジデントの「賢い時間術」シリーズの以下の記事です。


 このシリーズは、なかなか行動を起こさず、もたもた先送りする、いわゆる「グズ」を6タイプに類別して紹介しています。記事では、その中の「効率主義タイプ」を紹介しています。


「効率主義タイプ」とは、記事内では


効率的なやり方にこだわるあまり、仕事の肝心な部分を先送りしてしまう人

と紹介されています。これを読んだ瞬間、俺のことじゃないですか、と胸にグサリとささったのです。


 僕はライフハックが大好きな人間です。はてブの人気エントリーによくあがる「〜になれる7つの方法」といった記事は、ついついクリックしてしまう。また自己啓発の類の本を、ほぼ毎日好んで読んできました。そこで言われる「効率が正義であり、無駄は悪である」ということを正しいと信じ、これまで実践してきました。そして効率よく、事が進むことに快感を覚えていたのです。。


 なかなか上手く進まない事があれば、そんな時、僕は状況を打破できるライフハックがないかを徹底して調べました。タスク管理、スケジュール管理、最新アプリ、最新ガジェットなどなど。これは、と思ったものを片っ端から試しました。少しでもしっくりこなければ次、また次。どんどん試していく。コトっと自分の中で収まるまでトライしていったのです。


 結果、様々なツールを調べる時間、試す時間を合わせると、本来終わらせるべき時間を超過。本来1時間で終えるものを2時間。ひどい時には5分で終わることを1時間かけてしまうことなども。そして自己嫌悪におちいるというパターン。。

ムダは悪、時間がかかるのは悪という思い込みがあると、仕事に取り組むよりも、ほかにいい方法がないだろうかという方向に頭が向いてしまう


まさに上記の記事の通りでした。効率を求めた結果、非効率になっていたと。手段が目的化していた、いう悲劇だったのです。

ライフハックはただの情報であり手段

 そういった悲劇を通して知ったのは、経験も知識もない僕が下手にライフハックを実践すると、かえって迷わせてしまうということ。


 ネットでも雑誌でも本で成功者たちが語る、悩み事を快適にさせる方法は、非常に魅力的ですが、それは万人には当てはまらない。その人、その時、その状況だから出来たこと。自分がやって同じように出来る確証は全くないのではないでしょうか。


 だから、いろいろ試してみるわけですが、数えきれないほど現れるライフハックの情報を全ては試せません。全部出来ないにも関わらず、やらなければいけない気分にさせられ、徹底して調べてしまう。そうすると上の効率主義タイプになってしまう。手段が目的となってしまうのです。


 究極の方法論を探し求め、ゴールのない旅へと出てしまっていた。これでは時間はいくらあっても足りません。


 ライフハックは情報であり、手段。要はそれを僕らがどう使いこなすか。適切なタイミングで、適切なツールを活用するためには、適切な判断が必要となります。

「ライフハック主義」から「行動・経験重視」へ

 では、どうするか。それは「行動」をして「経験」を積むこと以外にないのだと、吹っ切れました。当たり前のことですが、僕はそれを忘れてしまっていました。


 「悩む」ということは、仕事・生活あらゆることをグズらせる最大の敵。この迷いがあると、人は何かに依存をしてしまう。僕の場合は、その対象が「ライフハック」でした。すると、またそのことで悩む、という悪循環にはまってしまいます。


 そして悩まないためには、「行動する」より他にありません。悩む前に、まず動く。そして失敗をする。それを繰り返していき、どうすれば失敗を回避できるか、を頭ではなく、身体で知る。これが「経験」という財産になります。


 これら失敗の経験をしていくと、やがて成功体験を得られる時が来る。それはそのまま自信につながる。すると方法論に悩む効率主義とは無縁になる、という論理。


 単純な話ですが、こうありたいと思います。行動せずに悩む人間に前進はなく、行動して経験する人間は前進しかないでしょう。

最後に:2013年はどうするか

 方法論にとらわれるという、ライフハック好きの悪い面が現れ、行動量が落ちてしまった2012年。


 そのためにライフハックには依存するのではなく、適度な距離を置いて、冷静に分析していきたいと思います。そして行動して経験するために、悩む時間を減らす。行動するに必要な知識だけ学び、どんどん行動して、失敗したり成功したり、いろんな経験をしていきたい。


 そういうことで、2013年は「はぐれメタル」を倒して、経験値を手に入れ、人間的にレベルアップしたいと思います。


それでは来年も何卒宜しくお願い申し上げます。

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