リテラシーラボラトリ

リテラシーを考える

ブログを書くのは自分の考えの変遷が見れるから

なぜブログを書くのか。この問いは案外深い。

インターネットに親しんでいない人にとって、「ブログを書く」という行為は奇っ怪なものに映るらしい。

Web2.0と騒がれた時からインターネットに触れている人間からすれば、ブログを書くのはもはや必然の流れだったように思える。多くのブログサービスが跋扈していた。ブログを持ち、書くことが当たり前のように感じて、ここまで来た。

しかし、そういった世界を知らない人たちからしたらどうだろう。FacebookやLINEのようにリアルの交友関係とのコミュニケーションとは異なる、不特定多数への一方的発信に彼らはメリットを見出すことができない。まったく性質が異なるものだからだ。やってきたから分かる、何となくのブログの面白さを、やってきてない人にどう説明するのか。難しい課題である。

ブログが好きな僕も人にブログを書くことを勧めている。そして決まって聞かれる。「ブログを書いて、何が得られるのさ」と。この問いに答えを窮してきた。
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photo by Maria Reyes-McDavis

分かりやすい答えとして、広告収益がある。儲けられるぞと。プロブロガーの存在のように、ブログで生活している人がいることを話す。これも一つの答えではある。しかし釈然としないのは、それが非常に難しいことを知っているからだ。広告で生活ができるほどの大きな収益を得られるのはごく一握りだ。最初から広告収益で生活するぞという強いモチベーションがなければ継続は難しい。

他にも多くの人が見に来て、コメントを通じて、新しい交流が生まれることがある、とか、文章力があがって出版への道がひらけるぞとか、言葉を並べて説得するのだけれど、なかなか難しい。どれも間違ってはないし、人によってはそれで価値を見出す人もいる。結局「ブログを書かなきゃ分からないよ」と煙を巻くのがいちものオチだ。

しかしこの問いに対する一つの答えとしてストンと胸に落ちたものを見つけた。それは以下の記事にかかれていた。

ブログ=自分の考えを言語化する場

人に見てもらったり、ビジネスにつなげるのもブログだけど、自分の考えを言語化する場としてのブログも有りだと思う。というか、私はそういう使い方をしている。

「自分の考えを言語化する場」そう、まさにそれ。スッと来る言葉だ。

人に言えずモヤモヤと抱えていた意見、思いついたけどその場で上手く伝えられなかったアイデアなど、自分の脳みそにある”何か”を言葉に変え、並べる場所。それがブログだ。

それはTwitterやFacebookとも違う場所だ。TwitterもFacebookも自分の考えをまとめるには短すぎる。意見に至るまでの”つぶやき”でまとまりがない。しかも、その独り言は流れてしまい蓄積されていかない。追いにくいのだ。

対してブログは残る。検索できる。追いやすい。

今自分の頭に形成される想いやアイデアはすべてブログによって形成されていったものと断言できる。今の考えに至る変遷、つまり歴史が、ブログには書かれている。

過去のブログを洗うと恥ずかしいけれども、色んな発見がある。過去の自分の考えに触れると、変わった部分も変わらない箇所も見える。そうした楽しみを持てるのがブログだ。

そういう意味からいうと、書きたいこと言いたいことがない人にはブログは難しいように思える。リアルのコミュニケーションでそれが言えてしまっていたら、わざわざブログにする必要性を見いだせないだろう。

けれど言いたいけれど上手く人に言えない想いは誰にでもあるはず。それを書くとどれだけスカッとするかを知ってもらいたい。

サイトではない、個人の日記としてのブログの答えとして一番しっくりくる答えだった。

まとめ

ブログは継続することが難しい。

広告収益を目的としている人は売上が上がらないとやめてしまう。人との出会いを目的としている人は、人が来なけりゃ書くモチベーションは上がらない。

しかし自分の意見や考えをまとめる場として使っている人には、そこまで大きく影響しない。あくまで自身のためであるからだ。主目的を自己の意見の形成におき、副次的な目的としてPVや広告収益と考えれば、大分気持ちが楽になる。仮にPVが出なくたって、意見がまとめられれば満足できる。それくらいがちょうどいい。書けないときだって、意見がない時と考えればいい。

ブログを重く考えちゃいけない。もっと軽い気持ちで自分の考えを書いてたらいい。

そういう答えもあっていい。そう思う。

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